続・仕事辞典
“産業人”を「価値を生む社会人」と定義し、まず身につけておくべき基本的な考え方や仕事の実務的ノウハウについて重要テーマを100厳選し、読者の「転ばぬ先の杖」になるようにとの想いで編纂しています。
9.会話の基本原則-話の仕方
◇良い会話は話し手の工夫で創ることができる
1.良い会話とは何か
良い会話とは、お互いに意思疎通を図ることができることである。話し手にとっては、聞き手が自分の意図した行動を起こしてくれる状態のことを言う。
2.悪い会話になってしまう例
聞き手が決定権を持つ通常の会話においては、相手の関心をいかに自分に向けられるかが重要になる。しかし、聞き手の関心をそぐようなことを無意識のうちにしてしまっていることがある。
- 1)話に直接関係がない資料をまとめて渡す
- 誰だって資料を渡されたら目を通したくなる。その結果、資料に関心が向いてしまい伝えたいことが伝わらなくなる。
- 2)相手が聞き慣れていない言葉を使う
- 専門用語や英語・若者言葉など、相手が聞き慣れていない言葉を頻繁に使うと、いくらその話の内容が素晴らしいものであっても相手は聞く気を無くしてしまう。
- 3)相手と呼吸を合わせない
- いくらおいしい料理でも一度に出されたらうんざりする。それと同じで会話も相手の受け止めるテンポに合わせてしていかなければ伝わらない。相手の目を見て話をしていれば、次の話題に進んで良いかどうかが分かる。
- 4)気になる「繋ぎの言葉」が頻繁に出てくる
- 「えー」「あのー」などという言葉が頻繁に出てくると、耳障りになって肝心の話を聞くことができなくなる。
3.良い会話を創るには
まずは、先述したようなことを注意して会話をすることが重要である。その上で、相手側に立って話の内容、伝え方を考えることである。そして、頭の中でどれだけ完璧を追求しても実際にやってみると気がつかなかった問題が出てくるということを知っておかなければならない。大切な場面であればあるほど、練習・リハーサルをやっておくべきである。