西山語録「2013年バックナンバー」

西山語録「2013年バックナンバー」

◆「考える」を考える

「考える」ことが重要な時代になっていますが、この「考える」が殆ど出来ていません。
まず、何を「考える」かに問題がありそうです。役割を果たすために「考える」。目的を果たすために「考える」。正確にやり遂げるために「考える」。約束あるいは期待された通りにやり遂げるために「考える」色々な「何か」があります。またどのように果たすかも「考え」なければなりません。どのように果たすか、すなわち方法手段は、「何を」「考える」かで大きく違ったものになりそうです。方法手段を固定したり、先に「考え」たりすると、「考える」ということにはならないようです。

◆ 現代の組織力

BSOが経営の基本原則として捉えている、3:3:3:1の組織力強化が、「これからの企業」のスタイルとして重要になってきます。
この3:3:3:1は、戦略企画力、求心営業力、統合技術力が「3」で、最後の「1」はモノづくりの追求力となります。「人生50年から人生80年」という捉え方は、今までの人生観を全く変え「新しい人の活き方」をもたらし、その一つの切り口として「三世代社会」という概念が新鮮なモノとして発想できるという話です。
政治社会は、今までの後援会、経営者組織、労働者組織、宗教組織といった組織された票田のもとに存在してきたと云って良いです。現代は組織化されていない無党派層といった市民社会の関わりで大きく変化する時代になりました。この市民社会を如何に活かすか、その技術開発を出来るところが、これからの政治の動きを規定するでしょう。これからは、猫の眼のように変わる政治と政治を支配できる動きを我々は前提にして産業社会で生きていくことが求められます。

◆ 気配りと心配り

この二つは、自分の果たす役割のなかで関係者との間の魅力機能として存在しますが、次のような違いがあります。
「気配り」とは、関係者に対する観察力の良否から強弱が決まります。相手が何を期待しているか、何に感動するか、BSOでいう第二の要望、第三の要望の察知力ということになります。そして、どれだけそれらの要望に応えるかの行動力の問題であります。自分勝手な「気配り」は、「気配り」にはなりません。
「心配り」とは、人間愛の問題です。関係者と一緒に素晴らしい関係で活きて行きたい気持ちの表れです。同じ価値観、同じ理念がないと、この「心配り」にはならず、押し付けの愛、招かれざる愛、さらには嫌悪感を持たれる考働になります。

◆ 役割

自分の役割が分かれば、どのような仕事をしたら良いかが分かります。その仕事の目的を確認したら、タイミングとどのような作業をどのようにしたら良いかがわかります。
自分の役割は、自分で勝手に決めるものではありません。自分が住んでいる色々な場面で、それぞれの社会で自分に求められていたり、自分の存在価値のある役割を関係者と共通理解することで分かります。

◆ 判断

仕事をするに当たっては、必ず判断が要ります。この判断が自分でどれだけ出来るかが「仕事が出来るか否か」の評価基準の重要な要素となります。他人に判断してもらっているときは、作業は出来ても仕事ができるとは見られません。
役割分担が出来るまでは、判断を自分ですると言っても、判断案を作り指示者や権限移譲者に事前に問いかけたり承認を貰ったりすることが必要です。指示者や権限移譲者が判断案を認めないときは、別案を貰うのではなく、承認あるいは認めてもらうまで何度でも働きかける必要があります。別案を貰うことは、仕事をするというより、作業をするということにしかなりません。
判断案が承認されない、あるいは認めて貰えないときは、二つの要因があります。
ひとつは、判断するのに使う情報が不足しているとき、もうひとつは入手した情報から判断案を導くときの思考に間違いがあるときです。前者は、情報収集の仕方に未熟さがあること、後者は、思考方法の拙さから来ています。

◆ 仕事をするうえで情報は不可欠である

仕事は必ず目的とした成果を出さなければなりません。目的は役割を果たすための一部です。仕事は、行為と判断、決定、決断からとなります。
この中で、判断・決定・決断には、それを行うために必要な知識と情報が必要です。知識とは教養・経験・修得・研究等です。この多少で、良い仕事が出来るか否かが大きく異なります。また知識には深さと広さがあります。具体的な仕事をするときは、このどちらかに偏る場合が一般的です。テクノロジーは前者、エンジニアリングは後者になります。また知識は、体得しているモノと、頭で理解しているモノとがあります。前者が技能で後者が技術という捉え方になります。
情報は、収集するものと感じとるものとの2つがあります。収集するものには目的のために収集するものと、日常的に収集しておかなければならないものとがあります。収集する情報となるデータには、定性的なデータと定量的なデータとがあります。感じ取るものは、感受性の強弱でとれる質・量が異なります。定量的データのみを収集する情報では、まともな仕事が出来ません。

◆ 会話は活きる基本

誰とどの様な時に何を話すかで、人は評価や信頼されたりされなかったりします。
話をしなければならない時に話をしなければならないし、話をしてはならない時に話をしないことを適切に判断する事も重要であります。 また、どの様な話し方をするのかも、会話の良否を決めることになります。
大人は、自分の発言に責任を持たなければならないし、自分の人生を変えることになる事を覚悟しなければなりません。

◆ 買わせる営業

営業の基本はAIDMAであり、「売る」のではなく、「買わせる」スタンスでなければいけません。
「買わせる」ためには、相手が何を欲しがっているのか、すなわち第一の要望ではなく、第二第三の要望を掴まなければなりません。それらの要望に応えてくれることを相手が認めなければ「買わせる」ことは出来ないのです。
要望を掴むためには、相手の会社が取組んでいるビジネスの特徴と、その会社の市場での評価と問題点などを観察し把握することで、ある程度は仮説が成り立ちます。仮説を持ちながら接するのであれば、これらの要望は相手が感心する程度は掴むことが出来ます。相手に認めさせるには、第二第三の要望に応えられことの情報や姿を如何に見せるかです。
いわゆる個客学習のための情報発信です。
ピントのはずれた押しつけがましい情報発信はかえって逆効果になり、決してプラスには働きません。

◆ 役割を果たす

役割を果たす役割は、与えられた仕事をタイミングよく正解に行う軸(正確軸)と、求められている成果を出す軸(成果軸)の二つの軸で作られる4つのフェイズで、管理職と経営職の役割を果たす違いを捉えることが出来ます。
正確軸が大きく成果軸が小さい(正確軸大・成果軸小)Aフェイズは初級管理者が位置づけられます。
正確軸小・成果軸小のBフェイズは一般職。
正確軸小・成果軸大のCフェイズは部門管理職。
正確軸大・成果軸大のDフェイズは経営職となります。

◆ 時代に乗るか乗れないかが今問われている

国内も世界も、ここ数ヶ月の動きで決まります。国も、企業も、個人も。この結果は早ければ来年頃から感じられ、4、5年先までには、はっきりするでしょう。これは歴史上経験をしたことのないような、とても大きな変化となります。
このことに気付いた人は、気が付かない人に働きかけは出来ても、引っ張っていこうとすると、自分が脱落してしまいます。
今、やらなければいけないことをしなければ生きていけないが、この構造的変化を察知して果敢に挑戦していくことが不可欠であるし、またとないチャンスでもあるのです。

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